六月以降もわが家は「身体・家事」の混合型で支援に入ってもらえるようになりました。花井さんは不満気ですが、利用料金があいまいな点で私たちもおおいに不満が残ります。でも、父のお気に入りのヘルパーさんが所属している事業所のケアマネジャーさんにはそれ以上はいえません。結局、物別れになって困るのは父だからです。それに介護保険制度がスタートしたばかりで現場も混乱しています。しばらく成り行きを見守っていこうと思います。滞在型と巡回型火の始末ができない、調理ができない、ときたま当てもなくふらふらと出かけてしまう父です。やはり一人にはしておけません。しかしそのころの父のADLは高く、排泄も食事も着替えもほぼ自立していました。だれかがそばにいて、話し相手をしながら見守りさえしてくれれば、それだけで充分でした。混乱を来たさないときの父は普通の年寄りとなんら変わりませんでした。「どこがお悪いのですか」と近所のかたにもよく尋ねられたものです。思えば痴呆症とは「贅沢な」病気です。

 

 

働き盛りのヘルパーさんや私たちがそんな父につねにはべりかしずいているのですから…。とはいっても父が混乱を起こしたとき、だれかが必ずそばにいてくれなくてはたいへんなことになってしまいます。ストーブを消そうとして水をかけたり、またストーブをこたつとまちがえてふとんをかけたりしてしまいます。水道の蛇口を開いたら開きっ放しです。父には見守りながら家事をこなしてくれる滞在型のヘルパーさんは不可欠でした夫f一方、母は「要介護4」、ベッドで暮らす人で一歩も自由に動けません。ときおり幻覚が起こり、おかしげな発言をしますが、こちらの話を聞く能力は残っています。会話もスムーズで、私たちは相手をしていても張り合いがあります。しかし大柄なうえに寝返りさえ自分で打てない母です。車椅子にすわつて自食ができるだけ、それ以外はすべて手を貸さなければ日常生活は営めません。父とは違う意味で介護はたいへんです。ADLの状態は父の比ではありません。

 

 

そんなに気をつかう必要があるのかなあ。妻の若さならできるかもしれないけれど、母にはとうてい無理です。あくまでも現状のままで支援に入ってもらい、なおかつ00L(生活の質)を高めてくれるのが、ヘルパーさんの役割なのではないかと私は受け止めています。